こんにちは。
さて、今回は全国賃貸住宅新聞が発表している２０２０年度の「入居者に人気の設備ランキング」の紹介と解説です。
人気の設備ランキングは、全国賃貸住宅新聞が管理会社から聞き取りなどして発表している毎年恒例のランキングで、その内容は以下のとおりです。
・「この設備があれば相場より家賃が高くても決まる TOP10」
・「この設備が無ければ入居が決まらない TOP10」
今回の記事では、それぞれのTOP１０について分析・解説したいと思います。
入居者の声（ニーズ）をきちんと把握した上で効果のありそうな設備を取り入れることは、空室対策を考える中でとても重要です。
特にコロナ渦においてニーズが高まっている設備もあります。これらをしっかりと把握して、設備投資していくことが大切でしょう。
２０２０年度 人気の設備ランキング
この設備があれば家賃が高くても決まる
単身者向け
➊ インターネット無料
➋ エントランスのオートロック
➌ 宅配BOX
④ 浴室換気乾燥機
⑤ ホームセキュリティ
⑥ 独立洗面化粧台
⑦ 24時間利用可能ゴミ置き場
⑧ システムキッチン
⑨ TV付インターホン
⑩ エレベーター
ファミリー向け
➊ インターネット無料
➋ 宅配ボックス
➌ エントランスのオートロック
④ 追い炊き機能
⑤ システムキッチン
⑥ ホームセキュリティ
⑦ 浴室換気乾燥機
⑧ 防犯カメラ
⑨ ウォークインクローゼット
⑩ 24時間利用ゴミ置き場
宅配ボックス
昨年のランキングと比較して最も順位アップしたのが、ファミリー物件で2位の「宅配ボックス（前回６位」です。
・Amazonや楽天などのネット通販の需要増加
・共働き世帯の増加
といった時代のニーズに加えて、新型コロナウイルスの影響で外出を控えるSTAY HOMEが広がったことにより、利便性と感染対策の観点から入居者さんのニーズにマッチしたものと考えられます。
インターネット無料
ここ数年、１位の座をキープしている「インターネット無料」は在宅ワークの浸透により、ますますニーズが高まっているでしょう。
リモートワークや大学の授業など、お部屋で長時間インターネットを利用する機会が増加し、通信速度に対する要望も増加傾向にあるようです。
私が契約している管理会社に確認しましたが、インターネット無料は家賃が高くても入居が決まりやすい傾向にあります。
わたしの所有物件４棟のうち３棟はインターネット無料を導入していますが、確かに２０２０年の入居募集では反響が多く、いつもより申込が早かった気がします。
特に都心に近い埼玉アパートは最近５，０００円値上げ、１０，０００万円値上げで募集しましたが、それぞれ退去前に申し込みが入り成約しています。
インターネット無料の導入は今は当たり前になりつつありますが、まだ十分に普及していないエリアもあります。
わたしが所有する地方物件のエリアでは、１Kはネット無料はほぼあたりまえの設備になってますが、２DK以上はまだネット無料設備の導入がそれほど普及していません。
同じエリアでも間取りやターゲットの違いによってネット無料の普及率に差が生じているのです。面白いですよね。
空室に悩まれている大家さんは一度エリア内でインターネット無料導入の費用帯効果を調査してみるのも良いかもしれませんね。
不動産投資でセミリタイアを目指してます。 サラリーマン大家のりばてぃー（@PAPALOG_LIBERTY）です。 入居者に人気の設備ランキングで不動の１位を確立している「インターネット無料[…]
TV付インターホン＆防犯カメラ
ランクが上がった設備項目に共通しているのは「防犯性」です。
防犯対策の向上を目的として「TVモニター付インターホン」および「防犯カメラ」が順位を上げており、セキュリティー性に価値を求める傾向が見受けられます。
ただ、日本は他国にくらべるとかなり治安が良いです。TV付インターホンは必須設備と感じますが、防犯カメラは費用対効果の観点から付加価値の向上に繋がるのかな？と若干の疑問があります。
治安が悪いエリアであればもちろんニーズは高いでしょうが、本当に必要な設備かどうか、しっかりと市場調査する必要があると考えます。
この設備がないと決まらない
単身者向け
➊ 室内洗濯機置き場
➋ TVモニター付インターホン
➌ インターネット無料
④ 独立洗面化粧台
⑤ 洗浄機能付き便座
⑥ 備え付け照明
⑦ エントランスオートロック
⑧ 宅配BOX
⑨ BS/CSアンテナ
⑩ 暖房便座
ファミリー向け
➊ 室内洗濯機置き場
➋ 独立洗面台
➌ 追い炊き機能
④ TVモニター付インターホン
⑤ 洗浄機能付き便座
⑥ インターネット無料
⑦ システムキッチン(2/3口)
⑧ ガスコンロ
⑨ エントランスオートロック
⑩ エレベーター
上位の顔ぶれは昨年と比較してほぼ同じですね。
浴室換気乾燥機＆ウォークインクローゼット
単身とファミリーともにランクアップしています。
浴室換気乾燥機は「外から見える場所に衣類を干したくない」「室内でも洗濯物が生乾きになりにくい」など、女性ならではの目線で「快適性」のニーズが高まったのかもしれません。
ファミリー世帯でウォークインクローゼットがランクアップ。子供が増えたり、子供の成長とともに物が増えるため収納力を求める声が目立ったようです。また、コロナ渦のリモートワークで書斎として使用する方もいるようです。
ガスコンロ（二口・三口）＆システムキッチン
単身向け物件ではキッチン関係の設備がともに上昇しています。
コロナの影響によって在宅時間が増えたことや飲食店での外食を控える傾向から、自炊する方が増えたことによりニーズが高まったものと考えられます。
ファミリー世帯ではもともと外食機会は単身より少ないでしょうから、ランキングに変化は見られませんね。
まとめ
以上、入居者に人気の設備ランキングの紹介と解説でした！
新型コロナウイルスの影響で仕事や生活様式が急速に変化し、入居者さんのニーズも変化しているのは明らかです。
より安心安全で、快適で利便性の高い住環境を整えてあげることで、物件の価値を高める努力が必要になってくるでしょう。
ただ、すべての設備を一気に導入するとなると大きな費用が発生してしまいますので、自分の物件に足りていない設備を把握し、優先順位を付けて順次設備導入していくのが良いかと思います。
また、エリアによって求められる設備も若干変動するでしょうから、管理会社や大家仲間と相談しながら対策を練ることが必要になるでしょう。
それではまた！！
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