新型コロナウイルスによる賃貸経営への影響と対策【住居確保給付金と生活福祉資金貸付制度の活用】

不動産投資でセミリタイアを目指してます。

 

サラリーマン大家のりばてぃー@PAPALOG.LIBERTY)です。

 

さて、中国の武漢から始まった「新型コロナウイルス」の感染症問題。日本でもついに緊急事態宣言が発出されました。

 

大家が最も気にするところは「賃貸経営への影響があるのかどうか」でしょう。

 

世界規模で感染が拡大し、飲食店やカラオケボックスなどを筆頭に多くの業態が大打撃を受ける中、最近のニュースや不動産サイト、SNSをチェックしていると、賃貸経営にも影響が生じていることは間違いありません。

 

今回の記事では、新型コロナウイルスが賃貸経営に与える影響とその対策について書きます。

 

りばてぃー
今は物件の購入を考えるより、既に物件を保有されている大家さんは「管理運営」に注力すべき我慢の時期かもしれません。

コロナが与える不動産投資(賃貸経営)への主な影響

企業経営不振のしわ寄せ

新型コロナウイルスの感染拡大による影響について、日本商工会議所が実施したアンケート調査では、「新型コロナウイルスによる影響がある」と回答した企業は6割を超えています(2月21日時点、SankeiBizからの引用)。

 

また、千葉商工会議所においては、「9割を超える企業に経営へのマイナス影響が出ている」としており、具体的なマイナス内容として、「製品・サービスの受注・売上減少、客数減少」が76.2%と最多とし、5割を超える企業の3月の売り上げが20%以上減少しているという調査結果を発表しています(千葉商工会議所緊張調査結果からの引用)。

 

ここで、

・企業への影響でしょ?

・テナント物件保有してる大家さんは大変かもしれないけど、レジ物件(一般共有住宅)だったら大丈夫でしょ?

 

もしそのように考えているとしたら、危機意識があまりにも低すぎます。

 

私が契約している管理会社にヒアリングしたところ、今回のコロナショックの影響は直接的に多数の中小企業に影響が出ているため、一部法人の転勤や住み替え需要が落ち込んでいるようです。

 

また、体力のない中小企業は休業や倒産に追い込まれ、そのしわ寄せは従業員が受けることとなり、給料は減少、または無給となることから、家賃滞納や退去発生の要因となるのです。

引っ越し時期の延期&来店者と内見者の減少

引っ越し時期の延期

引っ越しの見積もりサイトを運営しているグライドが先月末に発表した調査結果によると、引っ越し予定者のうち約4割が新型コロナウイルスの影響を受けたと回答しています(日本経済新聞からの引用

 

このうち(影響を受けた4割の人の中)、実際に引っ越し時期を延期した人は約4割を占めたとしてます。

来店者と内見者の減少

インタジ、スペーススリー、WealthParkが不動産業界における新型コロナウイルスの影響に関するアンケートを実施したところ、不動産事業者の8割が「新型コロナウイルスの影響がある」という結果が示されています(新建ハウジングからの引用)。

具体的な業務面での影響は「来店数の減少」「内見数の減少」の回答が多く、わたしたち大家にとって非常にインパクトが大きな調査結果となっています。

 

私が委託している管理会社に聞いたところ、内見数の減少どころか、「コロナのせいで申し込み3件が一気に吹き飛んでしまいました!」と嘆いていました。

 

新型コロナウイルスの影響は対岸の火事ではなく、わたしたち大家が今まさに直面している「脅威」であることを強く認識しましょう。

民泊・マンスリー物件への打撃

近年では、賃貸住宅の空室を民泊やマンスリー物件として転用するほか、インド発のホテルチェーンとして有名な「OYO」が、OYOLIFEとして日本の賃貸業界に参入してくるなど、主に外国人宿泊者をターゲットとした賃貸需要が活発化の傾向にありました。

 

しかしながら、このタイミングで新型コロナウイルスという想定を超えた影響により、諸外国からの外国人旅行者はもとより、緊急事態宣言が発出されている中において日本人の国内観光も激減しておりますので、民泊やマンスリー系を運営している一部の大家さんは大打撃を受けているのではないでしょうか。

住宅設備製品の納期が遅延

中国での新型コロナウイルス感染拡大の影響で、住宅設備機器を中心に中国製生産品の一部に納期遅延が発生しています。

 

トイレ、システムキッチン、洗面化粧台、ユニットバスのほか、床タイルやカーテンなどのインテリア製品についても供給減少の傾向にあるようです。

 

これから新築アパートを建てる人や、退去発生後の原状回復、リフォームの際の設備交換には注意が必要です。

 

早くリフォームを完了させて入居募集したいけど、リフォームのために必要な設備・備品が届かないとなると工事完了が遅れ、入居募集の開始も遅れてしまいます。

 

ツイッターなどのSNSで日頃から情報収集していますが、リフォームで使うトイレや洗面台が予定通りに納品されず、実際に被害を受けている大家さんが徐々に増えている状況です。

大家が取るべき今後の対策

住居確保給付金等の制度を活用する

上で書いたように、新型コロナウイルスは多くの中小企業にマイナス影響を及ぼしています。そして休業や倒産となれば、従業員の給料は減少されるか無給となり、家賃滞納や退去につながる可能性が十分にあり得ます。

 

SNSをチェックしていると、実際に家賃滞納や賃料の値下げ交渉に対応している大家さんが徐々に増えてきている状況です。

 

現在は緊急事態宣言が発出され、国全体が感染症拡大の防止に努めていますが、新型コロナウイルスがいつ終息するのかは誰にも分かりません。

 

もしかしたら日本でも欧米諸国のように感染者数が増え続け、経済状況がさらに悪化して家賃滞納や退去が発生するリスクが一層高まる可能性もあるでしょう。

 

こんな時に大家は何ができるでしょうか?どんな対策を取るべきでしょうか?

 

私は大家仲間との情報共有の中で有効的な2つの制度の存在を知り、各管理会社には何か問題が発生したら以下のように対応するよう連絡しました。

りばてぃーの対策(管理会社への依頼内容)


入居者に何らかの影響(勤め先が休業や倒産になり収入減や無給状態で家賃滞納が発生した場合、賃料の減額要求を申し入れしてきた場合、または解約の申し出があった場合)には、以下2つの制度を利用するよう入居者に促し、家賃滞納と退去の防止に努めること。

住居確保給付金
離職等により経済的に困窮し住居を失った者だけでなく、賃貸住宅等に居住しながら、住居を失うおそれがある者も支給対象としている。(厚生労働省からの引用


生活福祉資金貸付制度
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、休業や失業等により生活資金でお悩みの方々に向けた、緊急小口資金等の特例貸付を実施している。(厚生労働省からの引用

 

私の依頼に対して管理会社は好意的に受け止めてくれており、一部管理会社では、「予防策として、住居確保給付金と生活福祉資金貸付制度についての資料を作成の上、入居者様に配布する予防策を行う」と言ってくれています。入居者が一人で悩んで家賃滞納や退去を決断してしまう前に、事前にこのような制度があることを周知させておくことで、後手に回らないようにするのです。

 

現在、入居者の家賃滞納や退去で困っている方や管理会社とまだ具体的な協議を行っていない方は、上記二つの制度などを活用した対応策の実施をぜひ検討してみてください。

早期の設備交換を依頼

新型コロナウイルスに終息の兆しが見えないため、住宅設備製品の納期遅延は当面の間は続くと考えたほうが良いでしょう。

 

民法改正も踏まえれば、修理や交換で必要な設備は速やかな工事依頼が必要となります。※民法が120年ぶりに改正され、新しい民法の中においては、エアコンや給湯器などの設備等が故障して使用できなくなった場合の賃料減額についての規定が盛り込まれました。つまり、交換の必要がある設備がすぐに手に入らず、交換や修理までに時間がかかれば、それに伴って賃料減額の幅も大きくなる可能性があるということです。

 

また、納期遅延だけでなく、今後は設備や備品の価格が上昇することも考えられます。

 

既に退去予定の通知を受けている方であれば、早め早めに管理会社やリフォーム業者と打ち合わせを行い、必要と考えられる設備や備品をすぐに発注するなど、出来ることは今のうちに進めておくことが重要になります。

退去が発生しても諦めない

ここまで書いてきたように、新型コロナウイルスが与える賃貸経営への影響は日増しに大きくなっています。

 

このようなタイミングで退去が発生すれば早期客付けは厳しいかもしれません。でも諦めてはいけません。

 

退去が発生しても実家には帰らず「物件の設備が少し古くなってもいいから、もう少し安い家賃の家にすぐ引っ越したい」という層がいるかもしれません。

 

その場合、もしかしたらあなたの物件が選ばれる可能性だってあるわけです。その時に大事なことは、いつも通り、本気で客付け活動をしているかどうかです。

 

新型コロナウイルスの影響で住み替え需要の落ち込みや、引っ越しの延期が発生している事実はありますが、需要が完全にゼロになったわけではありません。

 

こんな時でも住み替えをしている人は一定数いるはずです。そこを狙って、魅力的な物件に仕上げ、管理会社と連携して早期客付けに向けて出来ることをやっていくしかないと思います。

りばてぃー
空室対策のまとめ記事があるので、客付けの方法が分からないという方は是非参考にしてください。
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まとめ

以上、新型コロナウイルスが与える賃貸経営への影響と対策について書きました。

 

この記事で伝えたかったことをまとめると、

 

新型コロナウイルスにより賃貸経営に影響が実際に出ている(家賃滞納、退去など)

・新型コロナウイルスが終息しないかぎり、この状況が続く

・終息どころか拡大するようなことがあれば、さらに賃貸経営を取り巻く環境が悪化する可能性もある

・そして、このような状況に対して大家はあらゆる事態を想定して備えておくことが重要

・具体的な対応策としては、「住居確保給付金」や「生活福祉資金貸付制度」の活用(管理会社と相談して入居者に制度活用を周知するなど)

 

くどいようですが、もう一度言います。

 

賃貸経営を行う大家にとって、新型コロナウイルスは他人事ではなく、今まさに直面している想像を超えた大きな脅威ということです。

 

何事もなく無風で過ぎ去っていくこともあるかもしれません。しかし、賃貸経営は「事業」です。

 

事業として行う以上、あらゆる事態を想定して、事前に対応策を考えておくことがとても大切です。

 

わたしは新型コロナウイルスの問題が終息するまで、全力で満室を維持することだけに注力していくつもりです。

 

それではまた!!

 

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